先月のあんどりゅーくんからはや一ヶ月。
第二回にしてすでにいっぱいいっぱいですが
今回は、4月のメーリングリストから下記の情報を抜粋してご紹介します。
- リリース情報
- 知恵袋
1. リリース情報
4月は下記のリリースが行われました。
- Hawk 0.4.0 のリリース(2011年4月19日)
- Corosync 1.3.1 のリリース(2011年4月25日)
- Pacemaker 1.2 のリリース予定発表(2012月8月22日)
1-1. Hawk 0.4.0
Hawk (HA Web Konsole) は Tim Serong@Novell が開発を担当しているGUIです。
てぃむが頑張って Wiki に書き込んでくれているので、このページを見ると大体どんなもんかわかります。
そもそも、Pacemakerで構築されたクラスタを管理するためのツールは、Hawk以外にも
- コマンドラインツール
- Python GUI
- DRBD MC
などがあります。
コマンドラインツールの代表的なものとして、crm_standby, crm_resource, cibadmin などがあるわけですが
如何せんこの方々はオプションの指定が複雑で、かなり一見さんお断りな雰囲気を醸し出しておるわけですな。
で、もう少しなんとかしましょうというわけで Dejan Muhamedagic@Novell がもりもりつくっている
crm というコマンドラインツールもあるんですが、こちらはタブキー補完が使えるので、オプション名を忘れがちなお年寄りにも
優しい仕様となっております。
crm はかなりいい。お勧めです。
とは言っても、やっぱりGUIのほうがいいんだよねーというか、他の商用製品と比較したとき「GUIないの?」って
聞かれちゃうことも多いんですよね。
そこで、Python GUI、DRBD MC、Hawkの出番です。
・Python GUI
Pythonでできてます。
クラスタとクライアントの両方にPython GUIをインストールする必要があります。
Hawk視点でいうと「インストールが難しい!(by てぃむ)」というのが欠点なわけですが
最近インストールしてないからなあ、どうなんだろう。
結構昔からあるツールなので機能的にはそこそこてんこ盛りです。
日本語対応しています。
・DRBD MC
Javaでできてます。
クラスタに ssh サーバ、クライアントに DRBD MC をインストールする必要があります。
クラスタとクライアントは ssh で通信します。
どんなツールかっていうとこれはもう、「DRBD-MCを使って10分でクラスタを組もう(動画デモ)」を見ていただくしかないかと。
日本語対応しています。
・Hawk
Rubyでできてます。
クラスタにHawkをインストールし、クライアントはWebブラウザからクラスタに接続します。
クラスタとクライアントは http で通信します。
0.3系ではクラスタの状態表示やノードのスタンバイ/オンライン化、リソースの移動など
設定済みのクラスタに対する操作を実行することができていましたが
先日リリースされた0.4系ではクラスタの設定変更も可能となりました。
今後は、実際のクラスタには影響を与えずに擬似故障を再現する機能(シャドーCIB)も追加されるらしいです。
この機能って運用フェーズでは必要ないだろうけど、故障試験とか障害解析とかやってる人にとってはありがたいっすねー。
てぃむ曰く「インストール簡単!」とのことですが、rubygemsの依存関係がいっぱいあって結構うざいと思うけど。。。
SUSE用にはRPMが用意されていますが、他のディストリビューションはソースからビルドする必要があります。
Hawkはまだまだ発展途上なので、機能的には Python GUI、DRBD MCに負けていますが、
今後の開発で徐々に追いついていくと思われます。
どれがお勧めかというと、今の時点ではやはり DRBD MC がお勧め。
クライアントに余計なソフトウェアをインストールしたくないんだよねえ、とか
ssh 禁止されててさ、とかいう場合であれば、Hawk ですね。
ただし、Hawk はまだユーザ数が少ないので人柱的な香りがします。